幼なじみの定義

 各種ゲーム、マンガなどで、「幼なじみ」ということになっている登場人物が出てくる。

 しかし、それは本当に「幼なじみ」なのか。

 設定上、「幼なじみ」ということになっているが、「それは違う!」と思ってしまうことがある。おそらく、私の中にある、「幼なじみの定義」から外れているのであろう。

では、「幼なじみの定義」とは何なのか。

 まずは、例によって辞書による調査結果を以下に示す。


 当然かも知れないが、どちらも同じである。しかし、「定義」である以上、「幼い」というあいまいな表現を明確にしなければならない。「幼い」とは具体的にどれくらいの年齢のことを言うのか。

 次に、「幼い」の辞書による調査結果を示す。


 困ったことに、まるで明確にされていない。おそらく、上記の説明にある、「若い」、「子供」などを追って調べてもおそらく無駄であろう。堂々めぐりになることが予想される。
 結局のところ、辞書からは、明確な定義は得られなかった。

 次に、なぜか手元にある本、「ギャルゲー・声優解体新書 二見書房 南原 順 著」に、「幼なじみ比較」というのがあった。
 ここから幼なじみの定義を見出そうとしたが、定義については触れられていなかった。複数のゲームのなかで設定上、「幼なじみ」とされているキャラを分類、共通点を抜き出しているだけであった。しかし、共通点で「子供の頃から主人公の知り合いであり、よくいっしょに遊んだりした」などと、辞書の表記からも読み取れる定義(あいまいさは残るが)である。分類と定義を混同している。それどころか、「センチメタルグラフィティの妙子以外のキャラも一種の『幼なじみ』といえるのではないか。」などと書いてあったりする。中学3年のころに出会った人物に、高校3年生の時点で、「幼なじみ」などといえるのだろうか?まったくもって乱暴な解釈である。元々、この本自体中身のないものであったという印象があるので、しょせん、こんなものなのだろう。

 それでは、私の考える定義はどのようなものであろうか。先ほど、辞書での表記では明確化されていない、といってはいるが、実は、自分自身でも漠然としたイメージのみで明確化されていない。
 では、明確化すればいいことだ。
 辞書によれば、「幼い時に親しくしていた」と過去形表記になっている。現在の状況には触れていない。しかし、幼なじみとは過去の関係であろうか。いや、今も続いてこその「幼なじみである。幼い頃、わずかな期間、親しくしただけで、10年ぶりとかに会って「幼なじみ」といえるのだろうか。やはり、それは単に「幼いときに親しかった」という過去のことではなかろうか。もちろん、辞書上の表記も現在の関係を否定しているわけではない。しかし、より明確にするために、「幼い時から親しくしている人」とする。

 さて、次に明確にしなければならないのは「幼い時」である。少なくとも中学生の頃は「幼い」とは言いがたい。もちろん、「幼い」というのは相対的な表現もありうるので、70歳の老人からすれば中学生などまったくもって「幼い」わけである。しかし、便宜上、相対的に評価する場合でも、基準は、高校、大学生、せいぜい30歳未満としたい。これは、幼なじみを語る上で、重要なフィールドとなる、ゲーム、あるいは、マンガなどでの登場人物の年齢からそのように想定する。
 では、話を戻して、中学生で「幼い」とは言えないのであれば、小学生ではどうか。しかし、小学生といっても6年も幅があり、6歳から11歳となる。下の6歳は十分幼いと言えると思うが、11歳ではどうか。微妙である。
 また、本稿のなかで言及するのは、基本的に男女間での幼なじみの関係、である。
 つまり、「幼い」というのは、男女を意識する以前、とも言えるのではないだろうか。では、「男女を意識する以前」とは。意識というか、区別されるのはいつ頃か。小学校1,2年の頃は、男女の扱いの違いはなかったと思う。3年でもまだ。4年・・・はどうであったであろう。5年あたりになると、明確に分けられてきて、体育の着替えなんかも別にされたようなされてないような。年齢的にも10歳の前後、ということであろうか。
 そこで、10歳をボーダーラインとして区別することにする。「幼い」の定義は「10歳未満」。

 上記までの検討結果より、幼なじみの定義としては以下のようにまとめられる。

 「10歳未満から(ずっと)親しくしている人」

 これが私の提唱する「幼なじみ」の定義であり、「幼なじみ」としての必要条件である。


補足すべき点
  1. 付き合いの長さについての検討
  2. 年齢差についての考察
  3. より精神的な関係の考慮