幼なじみ、その表記
本稿では、「幼なじみ」と表記しているが、その表記方法にはいくつかのパターンがある。どんな表記が正しいのか。まず、Web の検索エンジンによる結果を以下に示す。
下記の表記のバリエーションを選定した理由は、私が思いついたもの、なおかつ、使用している日本語FEP(IME2000)での変換候補、ということである。
表記 | 件数
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オサナナジミ | 47
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おさななじみ | 693
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幼馴染み | 3,060
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幼馴染 | 24,000
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幼なじみ | 53,900
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(2000/11/28 Google(http://www.google.com/)調べ。)
上記の結果を見てもらえればわかるように、「幼なじみ」が圧倒的である。
なお、参考のため、「〜属性」を付けて検索した結果も以下に示す。
表記 | 件数
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オサナナジミ属性 | 0
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おさななじみ属性 | 4
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幼馴染み属性 | 20
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幼馴染属性 | 48
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幼なじみ属性 | 147
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(2000/11/28 Google(http://www.google.co.jp/)調べ。)
こちらでも順位は先ほどと変わらない。webページ上での、ひとつの検索エンジンの結果からではあるが、一般的には「幼なじみ」が最も多く使用されていることがわかる。
次に辞書での調査結果を示す。
- 「幼馴染」、「幼馴染み」
(見出しで載っていたのは上記のみだが、和英の例文では何故か「幼なじみ」が使用されていた。)
Kokugo Dai Jiten Dictionary. Shinsou-ban (Revised edition) (c) Shogakukan 1988/国語大辞典(新装版)(c)小学館 1988
- 「幼馴染み」
大辞林第二版(goo(http://www.goo.ne.jp/) 上のサービスを利用)
一般には広く使われている「幼なじみ」は辞書には記載されていなかった。これは、正しい表記としては「幼馴染み」あるいは「幼馴染」であるということか?あるいは、辞書の上ではなるべく漢字表記を多用する慣例なのか。その理由は明らかではないが、少なくとも「幼馴染み」あるいは「幼馴染」を推奨しているように思える。
では、何故、人は「幼なじみ」の表記を愛用するのか?
個人的見解ではあるが、やはり漢字表記では堅苦しい印象を受ける。「馴染」は「幼」に比べてかなり画数も多く、込み入った感じがする。これでは、幼なじみの本来の意味であるところの、馴染み、親しんだイメージが薄れてしまう。そこで、表現のやわらかな「かな」表記を用いるのではないか。しかし、それを推し進めると「おさななじみ」になってしまう。
すべてを仮名表記にしてしまうと、文章のなかにあると読みにくいという欠点も出てきてしまう。そこで、画数も少ない「幼」は漢字表記のままにして、「幼なじみ」ということになったのではないか。少なくとも私が「幼なじみ」と表記するのは、このような理由である。